東京港は昭和16年に国際貿易港として開港以来、今日まで我が国経済の発展とともに飛躍的な成長を遂げてまいりました。今や東京港は、首都圏の生活と産業を支えるのみならず、世界に広がる航路ネットワークと、国内各地を結ぶ内航、鉄道のフィーダー網を備えた日本を代表する一大物流拠点として、また、海上公園など大都市東京のまちづくりを支える場としても、極めて重要な役割を担っております。
近年は、我が国における産業構造の変化などにより、アジア地域との取扱貨物量が増加しているほか、世界的に船舶の大型化が進展するなど、よりグローバルな視点での対応が求められています。また、少子高齢化による労働力の不足や、AIやIoT 等の情報通信技術の進展等、社会情勢も変化しています。こうした状況に対応し、進化し続ける未来創造港湾として東京港を発展させるため、昨年、東京港第9次改訂港湾計画が策定されました。今後は計画に基づき、貨物量の増加や船舶の大型化に対応した新規ふ頭の整備に加え、環境に配慮した脱炭素化への取組み、クルーズ客船の受入機能の確保等の取組みが進められます。東京みなと祭は、各種行事を通じて、港湾関係者ならびに都民の東京港への認識を高め、振興を図り、その存在意義や環境面での取り組み、2024年問題等の様々な課題に直面しながらも、進化し続ける港としての東京港の姿を理解していただく重要な場となっています。
また、次代を担う青少年にとっても、「東京みなと祭」は東京港へ目を向け、港の役割や様々な仕事を知ってもらう、またとない機会です。
昨年度は、これまで長年にわたり実施してまいりました晴海客船ターミナルから会場を移し、2020年にオープンしました東京国際クルーズターミナルで初めて開催しました。コロナ禍を経て4年ぶりの開催ということもあり、親子連れをはじめ、普段東京港には馴染みのないお客様にも数多くご来場いただき、港の役割や仕事等を知っていただく機会を提供することができました。また、出展者の皆様からも、普段の業務内容を多くの来場者にPRする機会を得て、手応えを感じたというお声を頂戴しました。2024年度につきましても、昨年度と同様に東京国際クルーズターミナルでの開催を予定しております。また、内容に関しましても、多くの方にお楽しみいただけるようなイベントを多数企画しております。
この「東京みなと祭」を盛りあげ、成功させることが、港湾関係者の方々の結束をより強固なものにし、都民と一丸となって未来の東京港をつくりあげていくものと信じてやみません。この開催趣旨を多くの方々にご理解いただき、積極的なご支援とご賛同を賜りますようお願い申し上げます。
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